この記事は、メーラーデーモンの戦慄を
読んだあとに書いています
前の記事:「魔眼の匣の殺人」徹底考察②考察のための5つの質問【ネタバレ有】
(1)広告戦略や、SNS上の評価はどうか?
以下あらすじ
メーラーデーモンを名乗る者から「一週間後、お前は死ぬ」というメールが届いた後、殺害される連続殺人が発生! 「お客様」を殺された上木らいちは捜査を開始。被害者は全員、X-phone(サイフォン)社のガラケーを所有していたことが判明する。一方、休職中の元刑事・藍川は「青の館」で過ごすが、小松凪巡査部長のピンチを知り、訳ありの宿泊者たちと推理を展開。らいち&藍川、二人は辿り着いた真相に震撼する!!
援交探偵らいちシリーズ5作目として、過去作品のキャラクターも登場する
本作品は、シリーズの集大成的作品となっているようです。
個人的には、〇〇〇〇(マル)殺人事件の主人公が再び登場してくれて嬉しかった。
SNSの評価としては以下の内容が見受けられました。
・読者への挑戦状の見せ方が面白かった
大仕掛けの叙述トリックのキレは素晴らしく、さらにリモコンバイブでの調教など”らしさ”が爆発している部分も多くみられて楽しめた
・今までのシリーズの人物がまさかこんな形で登場するとは思いもしなかった。
・上木らいちのテクニックを体験してみたい
らいちのテクニックを体験してみたいという意見がダントツで多かった。
私も是非教授いただきたい。
(2)類似、オマージュされた作品はどういったものがあるか?
言わずと知れた
「読者への挑戦状」はエラリークイーン作品より。
多重解決であるという点では、
「毒入りチョコレート事件」、「黒後家蜘蛛の会」
が思い当たります。
(3)本作は初心者向けor上級者向け?どういった人に薦められるか?
まぁあれですね。
万人受けする作品ではないですね、ハイ。
SM、バイブ等下ネタ満載ならいちシリーズを女性に薦める勇気はないです。
下ネタは置いておいたとしても、
この作品では繊細な叙述トリックを多用しているので叙述を知らない人が読むには
少しハードルが高いようにも感じます。
麻耶雄嵩を受け継ぐようなバカミス+本格ロジックの精緻さを持っているので、
麻耶雄嵩好きは是非読んでほしい。
本格ミステリ好きにも、バカミスの最高峰のらいちシリーズは
味わってほしいと思います。
(4)パワフルに心に残ったセリフや文章は何か?
十社長
「そう、ガラゲーは不良債権なんだよ!ガラゲーは通信料が安い!そのくせスマホとは別の設備やシステムが必要で維持管理費ばかりがかかる!ハイリスクローリターンだ!」
「私を捕まえたければ、どうぞ捕まえるとよろしい!その代わり、日本の携帯産業はドイツ人に乗っ取られることになるでしょうがな!スマホ万歳!ガラゲーは死ね!」
→おいおい、この作品も社会派なのかよww
エロバカミスのくせに、何故か社会派を入れちゃった「誰も僕を裁けない」
の流れを汲んでいるのか?
(5)ミステリ界に置いて、この作品はどういった位置づけになるか?
社会派エロミス+最新科学技術の王道。
として扱われることとなるでしょう。
なんせ、こんなジャンル他にないですからね!
ただ、ロジカルな謎解き、小技の旨さはあるものの、
ミステリーとしては少し地味(エロを抜くと)な作品なので
メジャーにはならないでしょう。
まだらいちシリーズも続けられそうなので、次作も期待してます。