あらすじ
~あらすじ~
夏祭りにやって来た、裏染天馬と柚乃たち風ヶ丘高校の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物してもお釣りに五十円玉が含まれるのはなぜ?
名作『競作五十円玉二十枚の謎』をモチーフに挑んだ表題作ほか、天馬の妹の華麗な謎解きも収録した全五編。
“若き平成のエラリー・クイーン”が日常の謎に挑戦。人気イラストレーター・田中寛崇による新規書き下ろし扉絵つき。
出典元:版元ドットコム(https://www.hanmoto.com/)
本書のジャンル・特徴
- 本格ミステリである
- 短編集
- 日常の謎
- 百合ミステリ
- ホワイダニットの名作
- 消失
- 青春小説
- バカミス
- 学園ミステリ
考察
もう一色選べる丼はホワイダニットの名作
短編集の中で「もう一色選べる丼」がかなり刺さりました。
このタイトルは、某太鼓ゲームのあの有名な言葉が由来なのでしょうか?
良質なホワイダニット(動機)物であり、真相はかなりこじれている。
別に犯罪でもなんでもない、小さな事件だけど端正な謎解きなのでワクワクする。
日常の謎でも青崎さんの一流のロジックが読めるのが嬉しい。
全然関係ないけど、持ち出し可能な学食って羨ましい。
学食なんて混んでて10回くらいしか行ったことない気がする…。
天使たちの残暑見舞いは百合バカミステリ
とりあえず、挿絵が相当百合。
本格ミステリの癖して、イラストレーターさんが相当仕事してる。
一巻の時点では、こういう路線になるとは思っていなかった。
しかし、本格ミステリ要素がおざなりになっているのではなく、むしろ謎解きのレベルは進化しており+αとしてキャラものとしての魅力が上がっている傾向なので、個人的にはOK。というか大満足である。
内容としては、相当なバカミス。
さすがに先輩気づけよ!と思わなくもないが、トリックの発想はとても好きですね。
↓麻耶雄嵩の「友達以上探偵未満」も百合ミステリ

イヤミス少なめの日常の謎
最近の日常の謎というと、米澤穂信さんの作品が浮かびます。
米澤穂信さんの作品(特に短編集)はイヤミスが多いような気がしますが、本作はさわやかな結末を迎える物がほとんどです。
モヤモヤしたくない人でも読める日常の謎なので、是非読みましょう。
3作目でキャラクターの関係性もあるので、1・2作目から読んだ方が良いと思います。
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