こんにちは!本格ミステリブロガーのアボカドです。
今回は『「屍人荘の殺人」登場人物の比較・違い』と題して、
「屍人荘の殺人」の原作と映画の比較記事を書いてみました。
本記事の内容には、ネタバレが含まれています!
すでに作品を読了or鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。



あらすじ
“小説版”のあらすじ
~”小説版”のあらすじ~
神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通うもう一人の名探偵、剣崎比留子と共に曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れる。
初日の夜、彼らは想像だになかった事態に見舞われ荘内に籠城を余儀なくされるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。
たった一時間半で世界は一変した。
数々のミステリランキングで1位に輝いた第27回鮎川哲也賞受賞作!
出典元:版元ドットコム(https://www.hanmoto.com/)
登場人物の原作・映画版での大きな違い
原作と映画版で登場人物について、以下のように、大幅に変更された点があります。
(1)1名の女学生(高木)、1名の男OB(出目)は、それぞれおばちゃん、おじちゃんに変更。(名前は同じだが、もはや別人)
(2)静原は神紅大学ではなく、フェス参加者に変更。
(3)比留子さんは変人化。
(4)探偵2人に推理ポーズ付与。
(5)班目機関に関わる2名(班目・浜坂)は登場せず、話題も出ない。
(1)~(4)は映像映えを狙ったのでしょう。
(5)については、時間の関係でなくなくカットかな?
登場人物一覧と映画版での変更点
葉村 譲(はむら ゆずる)
【小説】
経済学部1回生。ミステリ愛好会会員。
顔に古傷があるため、前髪を長くして隠している。
【映画版の変更点】
- 前髪は長くなく、古傷の話も映画版ではなくなっている
尺の関係で入れていないのでしょう。
明智 恭介(あけち きょうすけ)
【小説】
理学部3回生。ミステリ愛好会会長。自称探偵「神紅のホームズ」。
【映画版の変更点】
- 推理するときに指パッチンする描写が追加された。
その他変更はほとんどないと思う。
明智さんは一番原作再現されていた。
剣崎 比留子(けんざき ひるこ)
【小説】
文学部2回生。横浜の名家のお嬢様。
【映画版の変更点】
- 大分変人にされてしまった
- 若干、男口調に変更
- 推理するときに相撲の構えみたいなポーズをとる描写が追加
個人的には、クール(冷静+冷酷)+お姉さん+少し天然なバランスの比留子さんが好きだったので
映画版の比留子さんの変人化は非常に残念です。
浜辺さんのキャスティングは良かったんですが。
進藤 歩(しんどう あゆむ)
【小説】
芸術学部3回生。映画研究部部長。
眼鏡をかけて、真面目そうな風貌をした、痩躯の男性。
【映画版の変更点】
- 演劇部→フェス研究部
- 眼鏡かけておらず、真面目そうな風貌という感じはなかった
そもそも、紫湛荘に集まる目的が、
原作では「演劇部と映画部で映画とるため」だったのが、
映画版では「フェス研究会がフェス鑑賞するため」へ大幅変更されたので
登場人物が入っている部活が変わっています。
星川 麗花(ほしかわ れいか)
【小説】
芸術学部3回生。演劇部部員。進藤の恋人。
緩くウェーブのかかった栗色の髪でアイドルのような愛嬌のある顔立ちをしている。
【映画版の変更点】
- 演劇部→フェス研究部
部活以外の大きな変更点はなしかな。
名張 純江(なばり すみえ)
【小説】
芸術学部2回生。演劇部部員。
神経質。乗り物に酔いやすい。鋭い空気をまとった、理知的な印象の美人。
【映画版の変更点】
- 映画研究部→フェス研究部
- 酔いやすい描写なし
- 美人キャラ?
原作では結構な美人キャラだったような気がしますが
映画版も、一応OBに口説かれていたので美人キャラ設定な気もしますが
あまりスポットは当たりませんでしたね。
高木 凛(たかぎ りん)
【小説】
経済学部3回生。映画研究部部員。
姉御肌。背が高く、気が強い。ボーイッシュなショートヘアとくっきりした目鼻立ちが印象的な美女。
【映画版の変更点】
- 名前は同じだが、完全な別人
- 学生(映画研究部)→紫湛荘近くにいたオバチャン
原作は青春ミステリー的な味わいもあるから、
菅野以外の大人を紫湛荘にいれたのは個人的には”悪手”な気がしますね
静原 美冬(しずはら みふゆ)
【小説】
医学部1回生。映画研究部部員。
小柄でおとなしい性格。清楚という表現がしっくりくる黒髪の少女。
【映画版の変更点】
- 名前は同じだが、完全な別人
- 神紅大学学生(映画研究部部員)→フェスに参加していた少女
原作では高木さんとセットで行動していた静原ですが
映画版では、神紅大学の学生ではなく、フェスに参加していた少女に変更。
下松 孝子(くだまつ たかこ)
【小説】
社会学部3回生。映画研究部部員。
明るく強か。ふわふわのパーマをかけた金髪をポニーテールにし、きっちりメイクを施している。
【映画版の変更点】
- 映画研究部→フェス研究部
- 美人→ブスキャラ化
下松さんは美人→ブス化
(七宮の発言「誰だあんなブスを連れてきたの」)
原作では、過去の部活のことを気さくに教えてくれる
空気読める先輩キャラだったが、
映画では諸々カットされ、最初に即ゾンビ化されてしまう。
重元 充(しげもと みつる)
【小説】
理学部2回生。映画研究部部員。
特殊な映画のマニア。縁の太い眼鏡をかけた肥満気味の男。
【映画版の変更点】
- 映画研究部→フェス研究部
- デブオタ→中肉中背(?)オタ
- ゾンビ解説シーン大幅カット
原作は重元は、名前の通りデブ(重)だったが、中肉中背に変更。
変更理由は良くわかりませんが、単純にいいキャストがいなかったのか?
ゾンビ解説キャラとして、原作では意外と活躍したり、ツンデレ的な性格で
個人的には結構好きなキャラ。
映画版でもゾンビ解説シーンは一部出ますが、かなりカットされ、ハンマー振り回すただのヤバイ奴に。
七宮 兼光(ななみや かねみつ)
【小説】
OB。 ペンション「紫湛荘」のオーナーの息子で、毎年映画研究部に合宿の場所として紫湛荘を提供している。父親は映像制作会社の社長でもある。
【映画版の変更点】
- 映像制作会社の社長→?
映画版の役者さんの小物感がすごいwwww
立浪 波流也(たつなみ はるや)
【小説】
OB。七宮の友人。前年の合宿にも参加。
オールバックの髪を後ろで結んでいる。ワイルドな二枚目。
【映画版の変更点】
- オールバックではない。
原作のイメージはワイルドなイケメン。
映画版もイケメンですが、スマートなイケメンになっていますね。
出目 飛雄(でめ とびお)
【小説】
OB。七宮の友人。前年の合宿にも参加。
ぎょろりとした目つきで、両目の間が広くモヒカンに近い髪型をしているため、魚類のように見える。
【映画版の変更点】
- 名前は同じだが、完全な別人
- 神紅大学OB→紫湛荘近くにいたトランクドラゴン塚地
原作の出目はろくでもないやつでしたが、
まさか、映画版では、おっさん(塚地)になってしまうとは思っていなかった。
序盤でゾンビになるのは変わらず。
菅野 唯人(かんの ゆいと)
【小説】
紫湛荘の管理人。勤めていた東京の会社が倒産したため、去年の11月から知り合いの伝手で管理人の職を得た。
眼鏡をかけた誠実そうな雰囲気の男で、三十前後に見える。
【映画版の変更点】
- 30前後には見えない?
30前後には見えないような…。
浜坂 智教(はまさか とものり)
【小説】
儀宣大学の生物学准教授。公安の家宅捜査を受けた際、研究資料と共に姿を消した。
【映画版の変更点】
- 映画版には登場しない!
映画版は思い切りましたね。
映画版では班目機関の話を全部カットされています。
よって、浜坂智教は出ません。
続編はどうするのだろうね…。
班目 栄龍(まだらめ えいたつ)
【小説】
岡山の資産家。研究機関「班目機関」の創設者。
【映画版の変更点】
- 映画版には登場しない!
まとめ
今回は『「屍人荘の殺人」登場人物の比較・違い』と題して、
「屍人荘の殺人」の原作と映画の比較記事についてまとめました。
では、今回もご覧いただき有難うございました!
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