こんにちは!本格ミステリブロガーのアボカドです。
今回は『「ノックスの十戒」が現代の本格ミステリでも有効なのか検証してみた!』と題して、
ミステリ用語の「ノックスの十戒」についてまとめてみました。
ノックスの十戒Wikipedia解説
~ノックスの十戒(wikipedia)~
ノックスの十戒(ノックスのじっかい、Knox’s Ten Commandments)はロナルド・ノックスが1928年に“The Best of Detective Stories of the Year 1928”(邦題『探偵小説十戒』)で発表した、推理小説を書く際のルールである。
S・S・ヴァン=ダインによる「ヴァン・ダインの二十則」と並んで推理小説の基本指針となっている。
日本では江戸川乱歩が『幻影城』の中で紹介している。
なお、「十戒」を意図的に破った作品や、「十戒」の記述を逆手にとったトリックを用いた作品も数多く存在している。
出典元:wikipedia
ノックスの十戒の内容
- 1.犯人は物語の当初に登場していなければならない
- 2.探偵方法に超自然能力を用いてはならない
- 3.犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない(一つ以上、とするのは誤訳)
- 4.未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない
- 5.中国人を登場させてはならない
- 6.探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない
- 7.変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
- 8.探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない
- 9.サイドキックは自分の判断を全て読者に知らせねばならない
- 10.双子・一人二役は予め読者に知らされなければならない
縛りが非常に強いですね。
ノックスの十戒の中で今も通用するものはあるか?
ノックスの十戒の中で今の推理小説界にも通用するルールはあるのか?
10個の項目についてそれぞれ検証していこうと思います!
1.犯人は物語の当初に登場していなければならない
”当初”の定義によりますが……
たとえば、10章の小説であれば1~3章を当初と想定して考えてみると、
流石に、10章で初登場はイマイチだけど、中盤くらいに出てくれば犯人にしていいような気がします。
結論:今の推理小説界には「×通用しない」
2.探偵方法に超自然能力を用いてはならない
特殊設定ミステリ殺しのルールですね。
・超自然能力を使うのであれば、 事前にどういうことができるのか前提条件を明らかにすること
・超自然的能力だけでなく、論理的謎解きを入れること
といった条件があれば、超自然能力を探偵が使ってもいいと思います
結論:今の推理小説界には「×通用しない」
3.犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない
何故1つなら大丈夫で、2つ以上なら駄目なのかよくわからない。
結論:推理小説界には「×通用しない」
4.未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない
未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械でも
事前に読者にわかるよう説明していれば、別に使ってもいいと思う。
結論:今の推理小説界には「×通用しない」
5.中国人を登場させてはならない
差別でしかない。
結論:今の推理小説界には「×通用しない」
6.探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない
論理的な謎解きによる解決をすべきだと思う。
結論:今の推理小説界には「〇通用する」
7.変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
手掛かりがあり、論理的に解決できるようであれば、探偵が犯人でもいいような気がします。
というか、古典ミステリですら結構このパターンはありますしね。
結論:今の推理小説界には「×通用しない」
8.探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない
これは完全に同意。
ノックスの十戒の中で一番本質的なルールだと思っています。
結論:今の推理小説界には「〇通用する」
9.サイドキックは自分の判断を全て読者に知らせねばならない
「サイドキック」=助手のこと。
シャーロックホームズでいうワトソン役ですね。
これは微妙なところ。
別にワトソン役の考えをルールで制限する必要はないと思うんですよね。
結論:今の推理小説界には「×通用しない」
10.双子・一人二役は予め読者に知らされなければならない
これは完全に同意。
結論:今の推理小説界には「〇通用する」
まとめ
今回は『「ノックスの十戒」が現代の本格ミステリでも有効なのか検証してみた!』と題して、
ミステリ用語の「ノックスの十戒」について紹介しました。
では、今回もご覧いただきありがとうございました!
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